クリンカ防止剤添加による微粉炭ボイラの効率改善

書誌事項

タイトル別名
  • The Improvement of Boiler Efficiency on Our Pulverized Coal Fired Boiler
  • クリンカ ボウシザイ テンカ ニ ヨル ビフンタン ボイラ ノ コウリツ カイゼン
  • -Introduction of Coal Additive to Control Clinker Generation to the Boiler-
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抄録

日本製紙はこれまで培ってきた微粉炭ボイラによる発電技術を生かし,2004年から釧路工場内に新たに専用の微粉炭ボイラ及びタービンを設置し,電力卸売事業(IPP事業)を開始した。このIPP設備は北海道東部の電力使用量の約20%を賄っている。特に昨今の電力事情においては高負荷での連続安定操業という使命を課せられており,電力の安定供給という観点から地域にとっても重要な設備である。<BR>今回,燃料である石炭に燃焼促進及び脱硝触媒効果のある酸化鉄を主成分としたクリンカ防止剤を導入することでボイラ効率の改善が図られたことから,本稿にて報告をする。<BR>IPP設備では,営業運転開始まもなくからボイラの炉底ホッパー部に巨大なクリンカが付着し,これによる伝熱阻害やクリンカ落下によるボイラの停止トラブルが頻発し問題となっていた。<BR>さらに,環境負荷低減を目的に日本製紙としては始めての,乾式アンモニア注入脱硝設備を設置したが,未反応アンモニア(リークアンモニア)により酸性硫安が生成され,これが後段に位置するユングストローム式空気予熱器のヒーティングエレメントの閉塞を引き起こしていた。<BR>また,酸性硫安は電気集塵器内の放電線や集塵板にも付着し,安定操業を阻害する危険因子となっていた。特に空気予熱器エレメントの詰りは,排熱回収阻害及び燃焼用空気不足を引き起こしており,これらの問題を解決することでボイラ効率を改善することができた。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 67 (6), 597-606, 2013

    紙パルプ技術協会

被引用文献 (1)*注記

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