製紙スラッジを用いた植栽用軽量資材の開発

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タイトル別名
  • Development of Light Materials for Planting Using Paper Sludge
  • セイシ スラッジ オ モチイタ ショクサイヨウ ケイリョウ シザイ ノ カイハツ

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抄録

日本製紙連合会のフォローアップ調査によれば,2009年度は我が国では絶乾ベースで316万トンもの製紙スラッジが排出されている。このスラッジは,産業廃棄物として処理されているが,最近は焼却処分されることが多く,焼却灰の大部分はセメント原料として利用されている。しかしながら,セメント生産量は減少傾向にあり,焼却灰やスラッジ自体の新たな用途開発が求められている。<BR>一方,我が国は地球温暖化防止を図るための京都議定書において温室効果ガスの総排出量を2012年までに1990年度排出量の94%以下まで削減する義務を負い,その達成に向けて各分野で努力しているところである。<BR>スラッジを焼却する際には,紙として再利用できなかった微細パルプの燃焼によるCO2のみならず填料として使用した炭酸カルシウムの熱分解によるCO2も排出される。パルプはバイオマスであり,これから排出されるCO2はカーボンニュートラルのためカウントされないにしても,スラッジを焼却しなければ,炭酸カルシウムからのCO2は確実に無くなり,パルプからのCO2は大気中に再放出されることはない。<BR>私たちはCO2排出量の削減に寄与するため,スラッジを園芸,屋上緑化,植物工場などの培地として利用する研究を進めており,本報では,スラッジを用いて試作した軽量な培土と植栽ブロックについて紹介する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 66 (6), 613-617, 2012

    紙パルプ技術協会

参考文献 (7)*注記

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