-
- 増永 順士
- バルメット株式会社 製紙プロジェクト部
書誌事項
- タイトル別名
-
- Digital Hydraulics
- デジタル ユアツ セイギョ
この論文をさがす
説明
弊社は,カレンダを初めとして抄紙機の各種セクションでの油圧シリンダによるニップ圧制御のため,従来の比例弁の問題点を克服するデジタル油圧制御を大学との共同研究により開発し,実用化した。<BR>製紙機械には油圧で作動させるニップは各所で用いられている。カレンダニップを例にとると,ニップを閉じるとき操作側と駆動側2本のシリンダが非常に高い精度で迅速に設定ニップ圧を達成しなければならない。また,作動速度が速くても加圧力にオーバーシュートがあってはならない。そして,一定ニップ圧で運転されている間は,システムは加圧力制御が行われる。この間は,シリンダ圧力は適正レベルに維持されるのみで仕事は行われない。しかしながら,実際問題として従来の油圧シリンダは比例弁で制御されており,比例弁の内部では油の漏れがあるため,比較的大きな油圧ユニットを常時運転することになる。これは一定ニップ圧を保つための補償動作であり,多大なエネルギーのロスを伴った運転である。<BR>デジタル油圧制御では,多数のポペット弁,アキュムレータおよびインテリジェント制御アルゴリズムを用いることで,ポンプ作動によるエネルギー消費は最小化される。ポンプ,モータ,タンクなどは小型化でき,配管も少なくて済む。これにより,省エネルギー,省スペースはもとより運転時の紙切れの低減,迅速なプロファイルの安定化が達成される。<BR>本稿では,従来の油圧制御方法と比較したデジタル油圧制御の利点を紹介する。
収録刊行物
-
- 紙パ技協誌
-
紙パ技協誌 69 (3), 245-251, 2015
紙パルプ技術協会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001206519215104
-
- NII論文ID
- 130005071985
-
- NII書誌ID
- AN00379952
-
- ISSN
- 18811000
- 0022815X
-
- NDL書誌ID
- 026192619
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可