紙料調成工程のリファイニング・プロセスにおける省エネルギーの提案

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タイトル別名
  • Suggestions towards Energy-Saving for Refining at Stock Preparation
  • シリョウチョウセイコウテイ ノ リファイニング ・ プロセス ニ オケル ショウエネルギー ノ テイアン

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説明

紙料調成工程に設置されている機器の中では,リファイナーで消費される電力が多く効果的な省エネが図れた場合にはその省エネ効果は大きい。そこで本稿では,新しく開発した調成用リファイナーならびにダブルディスクリファイナー(DDR)用の省エネプレートを紹介する。<br>新規開発した調成用リファイナー(OptiFiner Pro)はコニカル型のリファイナーである。リファイニングゾーン内の原料の流れ方向と刃物の流れ方向が「直行」するように設計されており,この機構により従来型のコニカルリファイナーやDDRよりも叩解効率が向上している。L材ならびにN材のバージンパルプの叩解用だけでなく,最近では古紙原料向けにも販売を始めている。導入事例として,2台のOptiFiner Proを設置して5台のDDR(24インチ型)を停機することで335kWの省エネを図った事例を報告する。<br>DDR用の省エネプレート(MicroBar)は刃幅・溝幅を狭くしたパターンを持つ刃物で,最小刃幅はL材用で1.1mm,N材用で1.5mmである。このような狭小の刃幅を有する刃物を鋳造で製作するのは困難であったが,試行錯誤の末に製品化し2011年から販売を開始している。刃幅・溝幅が狭いパターンでは,刃同士の交差点が多くなり叩解力が向上する。この性能を生かして,MicroBarを供したDDRの処理量を上げて他方のDDRを停機する方法やDDRの運転時間を短縮する方法,またはモーター負荷を下げる方法で省エネを図ることができる。導入事例として,L材用ではDDR(26インチ型)を停機した事例,N材用ではモーター負荷を下げて100kWの省エネを図った事例をそれぞれ報告する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 69 (7), 712-716, 2015

    紙パルプ技術協会

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