ワインダードラム更新による品質および操業性の改善

  • 渡辺 健
    北越紀州製紙株式会社 新潟工場 工務部 抄造第6課

書誌事項

タイトル別名
  • An Improvement in Operation and the Quality of the Product by Renewing the Winding Drums
  • ワインダードラム コウシン ニ ヨル ヒンシツ オヨビ ソウギョウセイ ノ カイゼン

この論文をさがす

説明

<p>北越紀州製紙新潟工場の8号抄紙機はA2コート紙専抄マシンである。後工程には,JRワインダー2基が設置されている。</p><p>A2コート紙をJRワインダーで加工するにあたり,長い間いくつかの課題を抱えながら操業を続けてきた。</p><p>JRワインダーのサイドドラムには,加工中の随伴エアーを逃がすためのスパイラル溝が掘ってある。リール枠のプロファイルやワインダー加工速度の変動の影響を受けて,この溝跡が紙面へ転写してしまうことがあった。瞬間的な発生であるため工程内での発見および除去が難しく,そのことも事態を深刻化させる要因となっていた。</p><p>ワインダーパートではこの溝跡の発生を防ぐために,ニップ圧の制限や加工中の加速度の制限等の対応を取ってきた。これらの対応は,溝跡の発生防止に一定の効果はあるものの,ディッシングや木口ズレ等の損紙およびワインダー処理能力の著しい低下の要因にもなっていた。</p><p>これらの課題に対して,JRワインダーに搭載されている2本のサイドドラムを,従来のハードロールからソフトロールに更新することで改善を図ることができた。サイドドラム更新以降,溝跡の発生は確認されていない。溝跡の改善だけでなく,一連の損紙の減少やワインダー処理能力の向上およびそれに伴うマシン生産性の向上も達成することができた。国内では初となるJRワインダーサイドドラムへのソフトロール搭載により,当初の目的を達成し品質,効率および生産性の向上を実現できたことは大きな効果である。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 71 (1), 66-69, 2017

    紙パルプ技術協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ