-
- 田中 潤治
- 川崎化成工業株式会社 技術研究所
書誌事項
- タイトル別名
-
- Estimation of SAQ® Effects by the Analysis of Wood Chip
- 原料チップの分析による蒸解助剤SAQの効果の推定
- ゲンリョウ チップ ノ ブンセキ ニ ヨル ジョウカイ ジョザイ SAQ ノ コウカ ノ スイテイ
- Estimation of SAQ^|^reg; Effects by the Analysis of Wood Chip
この論文をさがす
抄録
広葉樹パルプの原料として使用される木材チップは,近年では植林木の割合が多く占められており,ユーカリを主として多くの樹種が用いられている。現在の国内クラフトパルプ工場においては,複数の樹種を混合して蒸解に供しているのが一般的である。この原料チップ中の化学成分(セルロース・ヘミセルロース・リグニン)の比率は樹種によって異なっているため,原料チップの混合比の変動が,工場におけるパルプ品質の変動の原因の一つと考えられる。<BR>このような原料チップの化学組成の違いは,蒸解助剤の効果にも影響することが分かっている。ある特定の樹種をパルプ化する際,与えられるパルプ収率・カッパー価を正確に知る方法として蒸解実験が用いられる。しかし,蒸解実験は大変煩雑な作業であるため,簡便な蒸解結果の推定法が求められている。<BR>広葉樹クラフト蒸解における蒸解助剤SAQ®の効果を推定する手法として,熱分解GCの適用を検討した。<BR>パルプ原料として5品種の広葉樹チップを用い,熱分解GCで分析した結果と蒸解によって得られたパルプの測定による結果を比較した。<BR>結果として,原料チップの熱分解GC分析によって,多くのリグニン由来の熱分解物が同定され,シリンギル型化合物とグアヤシル型化合物のピーク面積比(S/G比)が求められた。今回用いた全品種において,S/G比と蒸解を行って得たSAQ添加による脱リグニン度の変化(カッパー価低減効果)とに良い相関が得られたことから,原料チップのS/G比を分析することによって,蒸解を行わずにSAQによるカッパー価低減効果を推定できる可能性が示唆された。
収録刊行物
-
- 紙パ技協誌
-
紙パ技協誌 66 (11), 1205-1209, 2012
紙パルプ技術協会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001206519779200
-
- NII論文ID
- 10031117825
-
- NII書誌ID
- AN00379952
-
- COI
- 1:CAS:528:DC%2BC3sXhtFWhtLs%3D
-
- ISSN
- 18811000
- 0022815X
-
- NDL書誌ID
- 024059552
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可