活性汚泥のトラブル

書誌事項

タイトル別名
  • Trouble of Activated Slude
  • 活性汚泥のトラブル : 原因究明と対策
  • カッセイ オデイ ノ トラブル : ゲンイン キュウメイ ト タイサク
  • -Determine the Cause and Countermeasures-
  • ―原因究明と対策―

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抄録

多くの廃水処理施設に於いて処理障害が多発しているが,特に生活系排水よりも産業系廃水がその多くを占めている。<BR>この根本的原因は,<BR>(1)負荷算定の誤り<BR>(2)DO(溶存酸素)の取扱い<BR>(3)活性汚泥の性質の認識不足<BR>によるところが多い。<BR>BOD5日は本当の負荷ではなく,実際の負荷はBOD20日で測定すべきである。これは公共下水道のようにSSの多くが無機質であれば問題ないが,工場廃水ではSSの多くが有機質であり且つ溶解性であることに由来する。施設の多くは概ねBOD5日の1.3倍~2倍のBOD負荷がかかっているのである。<BR>DOは溶存酸素であり,活性汚泥が利用し尽くした後の余りの,余存酸素ではない。真に酸素が足りているか否かは「酸素消費速度」を測定するか「顕微鏡観察」によるしか術が無い。<BR>一部の研究者の間では,活性汚泥が粘性物質(アラビノースやマンノース等の高分子多糖類)を異常代謝することが知られており,これがバルキングや発泡など多くのトラブルの原因となっているのであるが,廃水処理の現場では認識されていないのが実情である。<BR>廃水の性状が活性汚泥に与える影響は無視できないが,前述の三点を解決しない限り処理障害から脱却することはできないので最優先課題である。<BR>本論文ではこれらの原因解決策と対処法を設計と運転管理の立場から述べる。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 66 (12), 1340-1349, 2012

    紙パルプ技術協会

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