MVRプレエバの操業経験

  • 鈴木 英明
    中越パルプ工業株式会社 川内工場 原質部

書誌事項

タイトル別名
  • Operation Experience of MVR Pre-Eva
  • MVR プレエバ ノ ソウギョウ ケイケン

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抄録

中越パルプ工業川内工場では黒液回収工程において,バッチ釜系列にプレエバポレーター(以下,プレエバと略す)が導入されておらず,バッチ系増産によりエバへの給液の濃度低下・量増加となってきた。バッチ釜系列の黒液回収ルートにプレエバを導入し蒸気原単位の向上及び黒液回収工程能力アップを図ることが可能となった。<BR>今回導入したプレエバは,加圧ファンによる蒸気再圧縮方式のエレメント型のエバポレーターとなり国内紙パでの導入経緯が無く,海外紙パで導入実績のあるアンドリッツ社製のMVRを選定した。MVRの構造については,発生したベーパーが再加圧ファンにて圧縮され,ベーパーの温度上昇分(Δt)がエレメントにおいて黒液を蒸発させる熱源となっている。<BR>運転経緯については,目標の蒸発量に達する操業バランスを確認できたが,非凝縮性ガスの排出調整がうまくいかず缶内圧力が不安定となり,本来は必要の無い圧力制御用の低圧蒸気が供給される状況が発生した。様々な運転調整をする中で,非凝縮性ガス排出配管を変更することにより,低圧蒸気の供給はほぼ停止し安定した操業状態となった。<BR>今後更に操業データ分析を進め,濃縮効率の向上及び処理量アップ,運転効率の改善に取り組んで行きたい。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 68 (8), 876-879, 2014

    紙パルプ技術協会

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