塗工カラーの粘弾性挙動と流動性改質剤の効果

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タイトル別名
  • Rheological Behavior of Coating Color and Effects of Rheology Modifier
  • トコウ カラー ノ ネンダンセイ キョドウ ト リュウドウセイ カイシツザイ ノ コウカ

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抄録

<p>近年,生産性向上のため塗工速度の高速化に伴い,塗工カラーの操業性向上に対する要求がより厳しい状況となってきている。操業性の管理方法には,従来から塗工カラーの特性としてB型粘度,保水力,ハイシェアー粘度などが測定されているが,これらがコーターでの操業トラブルであるブリーディングの発生と必ずしも相関していないことに気づいた。これは,塗工カラーの原紙へのアプリケートの後,ブレード下において非常に大きなせん断応力を急激かつ短い時間間隔で受ける。この状態下では,塗工カラーは流動体というより固体的に応答していると考えられるため,従来の評価方法だけでは不十分である。</p><p>当社では,この塗工カラーの高せん断応力下における固体的性質に着目し,種々の条件で作製した塗工カラーについて粘弾性測定を行った。粘弾性の評価には「貯蔵弾性率G’」と「損失弾性率G」から算出した「損失正接tanδ」をパラメータとして採用し,ブリーディングの発生について検討を行った。その結果,保水性とtanδがブリーディングの発生に大きく相関していることがわかった。この知見に基づき,当社では保水性と粘弾性をコントロール可能な流動性改質剤「ソマレックス」の開発を行い,操業性や塗工紙物性の改善に向けた提案を行っている。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 71 (8), 850-854, 2017

    紙パルプ技術協会

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