木質チップバイオマス発電設備の操業経験

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タイトル別名
  • Operating Experience of Wood Chip Biomass Power Plant
  • キシツ チップバイオマス ハツデン セツビ ノ ソウギョウ ケイケン

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抄録

<p>当社は,「エコチャレンジ020」としてCO2排出量を2020年度までに1990年度比で32%削減することを目標に活動を推進している。また,当工場が位置する埼玉県では2010年より目標設定型排出量取引制度が導入され,2015~2019年度の5年間で基準年に対し13%のCO2排出量削減が要請されており,これらの目標を達成するために2016年1月より当工場では新たに木質チップバイオマス発電設備を導入し操業を開始した。運転実績としては,操業開始以降は都市ガス使用量ならびにCO2排出量を大幅に削減し,特に今年度のチップボイラーによるCO2削減量は基準年に対し約25%の削減となる見込みである。</p><p>操業経験としては3件のトラブル事例「灰の付着による一次過熱器の閉塞」,「灰バンカブリッジおよび灰の固化」,「異物の炉内堆積」について報告する。灰に関するトラブルはいずれも試験的に使用した代替燃料の成分と浮遊燃焼が原因である。代替燃料の使用中止とチップ業者へ燃料チップ中の木粉低減を要請することで燃料改善を行い,過熱管への灰付着や灰バンカブリッジは改善された。異物の炉内堆積は,燃料中のアルミ等が炉内で融解し他の異物を取り込み塊となることで炉外へ排出されずに,砂の流動性を悪化させたというトラブルである。砂循環系統の調整によってある程度改善はされたが現状としては定期的に炉内点検を実施し異物を除去する必要があり,そのサイクルの見極めが課題である。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 71 (6), 593-597, 2017

    紙パルプ技術協会

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