キルン焼成能力増強工事とその操業方法の確立

書誌事項

タイトル別名
  • Lime Kiln Capacity Upgrade and Optimizing Its Operation
  • キルン ショウセイ ノウリョク ゾウキョウ コウジ ト ソノ ソウギョウ ホウホウ ノ カクリツ

この論文をさがす

抄録

日本製紙では,2011年8月に国内洋紙市場の縮小をはじめとした厳しい経営環境に対応すべく,復興計画を策定した。この復興計画では,設備停機を含めた固定費圧縮による競争力強化も進められ,岩国工場においては,隣接する大竹工場のKP工程停機に対応し,パルプ供給を行うこととなった。<BR>このため,岩国工場ではパルプ生産量が増加する事となったが,2系列のKP工程をフル稼動するための白液が不足する事が予想された。白液生成量は,キルンの能力不足が律速となっており,能力増強により石灰焼成量を増加させる事が必要となった。<BR>この課題に,設備的な改善(キルン内レンガ更新,供給スラッジ含水率の低減等),操業条件の検討(石灰クーラー制御変更,キルン回転数制御方法等),薬剤(脱水助剤,ダムリング防止剤)の併用などで対応した結果,焼成石灰量は従来の毎時6トンから9トンへと増強することができ,KP工程のフル稼働が可能となった。また,従来に比べて熱エネルギーのロスが減った事もあり,CaOトン当たり約8%の重油原単位の良化となった。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 68 (4), 385-388, 2014

    紙パルプ技術協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ