KP蒸解装置の変遷とその基礎

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タイトル別名
  • Trend of KP Continuous Digesters and the Related Basic Theory
  • KP ジョウカイ ソウチ ノ ヘンセン ト ソノ キソ

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説明

世界もわが国もパルプ生産量の中で,KPが最も多い。その生産量の増加に貢献したプロセスには,連続蒸解釜(連釜),連続漂白,および回収ボイラーも含めた連続的な薬品回収がある。中でも,連釜は,1950年に1釜50t/dの生産量でスタートしたが,僅か65年の間に80倍の生産をするに至った。生産量ばかりではなく,その蒸解装置も浸透・蒸解・洗浄を1ベッセルで行う方法から,浸透と蒸解の機能を分離した2ベッセルに変わり,洗浄も釜内および後段で高温・高圧下で洗浄する方式も導入されてきた。<br>一方,1970年代の漂白排水のダイオキシン問題から,カッパー価はできるだけ下げつつ,パルプ収率や強度は維持する高い脱リグニン選択性のある蒸解法が望まれ,その研究はスウェーデンの大学や研究所で行われた。これらの研究成果を基にして,MCC(修正蒸解法),ITC(全缶等温蒸解法),Lo―solids(釜内固形分の低減),BLI(黒液を浸透段に使用)などの新しい蒸解法が1980年から1990年にかけて続々と開発された。わが国では,1990年以降に開発されたCompact蒸解も含めた新しい蒸解法が,KP連釜40基のうち約60%を占めるに至った。<br>本稿では,これらの項目と蒸解の基礎となる脱リグニンの化学についても述べる。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 69 (8), 799-808, 2015

    紙パルプ技術協会

参考文献 (1)*注記

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