バイオリファイナリー事業の操業経験

  • 中村 優
    王子製紙株式会社 米子工場 パルプ部DKP課

書誌事項

タイトル別名
  • The Review of Operating Experiences of Biorefinery Work
  • バイオリファイナリー ジギョウ ノ ソウギョウ ケイケン

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抄録

世界の人口の増加や一人当たりの繊維使用量の増加により,レーヨンの原料となる溶解パルプ(Dissolving pulp,DP)の需要は,今後,年率7~12%で成長することが予測される。王子製紙株式会社では紙の需要減少が見込まれる中,事業構造転換の一環として,DP事業への参入を決めた。DP製造方法は①既存設備の有効利用・初期投資の削減,②連続蒸解法の開発,③ヘミセルロースを多く含む排水の有効利用が可能,という利点がある前加水分解―クラフト法(DKP)を選択した。<br>2014年,米子工場において「バイオリファイナリー効率的一体型連続工業プロセス」として,DKP製造プロセスとDKP製造の副産物として発生するヘミセルロースからフルフラール等の有価物を連続的に製造する世界初のプロセスをスタートさせた。5月より営業運転を開始し,現在まで高品質のDP製品を安定的に生産できており,ユーザーから高い評価を得ている。<br>本稿ではDKP製造設備への改造の概要,および立上後の操業状況について報告する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 69 (8), 825-828, 2015

    紙パルプ技術協会

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