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- 三沢 悦也
- 株式会社イメリス ミネラルズ・ジャパン
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- クリス ナットビーム
- イメリス ミネラルズ社
書誌事項
- タイトル別名
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- Recent Trends in Coating Pigment Use and Formulation Practice in Asia and Western Markets
- コートシ ニ オケル セカイ オヨビ アジア ノ ガンリョウ トレンド
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説明
本稿では,2007年のピーク以降の世界およびアジアの紙市場の変化,ならびに顔料の需要および消費傾向やカラー配合への影響について調査を行い,また,近年のカラー配合にて減少傾向にあるカオリンが,如何に付加価値を与えることが可能であるかを検討した。<BR>過去5年間,製紙産業において根本的な顔料使用の変化によって,我々は欧米および日本といった成熟マーケットと中国をはじめとする新興国との間において,大きな分極化が進行していることを確認している。成熟マーケットでは需要が減少し,大規模な生産能力の削減が継続的に実施されている。反して,中国では新たな生産能力への投資が続いているため,供給過剰になることが考えられる。何れの場合も,製紙メーカーは最終的にコスト重視の政策へとシフトするであろう。<BR>上記の状況は,顔料の使用方法や研究開発に対して多大な影響を与えてきた。1990年から2000年にかけて急速に顔料開発が行われた後,今日ではそのスピードは鈍化し,一般的な顔料が選択されるようになった。ローカルな顔料のシェアが伸びるなか,原材料のみでなく紙製品の品質要求も低下した。よって,炭酸カルシウムの消費量は世界的に増加したのに対して,短期的なコスト削減の理由からカオリンは大きく減少した。<BR>しかし,カオリンは経済的なデメリットはあるが,製紙メーカーに対して付加価値を供与できる可能がある。炭酸カルシウムとは異なる粒子形状を持つカオリンは,紙・板紙において有効だと考える。高アスペクト比のカオリンを中心に多くの事例があり,主に光学的および物理的な被覆性の改善効果が上げられ,原紙設計に自由度を与えるものである。付加価値の追求は,単なるカオリンの置き換えでは測ることは無理であり,全般的な製紙工程において評価されるものであるため,成果を得るためには顔料メーカーと製紙メーカーとのコラボレーションが必要と考えている。
収録刊行物
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- 紙パ技協誌
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紙パ技協誌 67 (9), 977-986, 2013
紙パルプ技術協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206520978688
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- NII論文ID
- 10031193325
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- NII書誌ID
- AN00379952
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- ISSN
- 18811000
- 0022815X
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- NDL書誌ID
- 024855366
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可