感熱記録紙の用途の変遷と新製品技術

書誌事項

タイトル別名
  • The New Technology & the Transition of Thermal Paper
  • カンネツ キロクシ ノ ヨウト ノ ヘンセン ト シンセイヒン ギジュツ

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説明

<p>熱エネルギーにより文字や絵柄などを印刷できる感熱記録紙が市場に出てから既に40 年以上になる。感熱記録紙の生産量は,紙全体の生産量からすると決して多いものではないが,ペーパーレス化が進み,国内の紙生産量が減少するなか,近年の生産量は,ほぼ横ばいで推移している。ノーカーボン紙の技術から生まれた感熱記録紙は,業務用ファックス用紙として普及が始まり,現在では,コンビニなどのレシートをはじめ,物流,計量用などの管理用ラベルや,画像医療診断,乗車券など,日常生活の中の様々な分野で使用されている。長きにわたり発展を遂げてきた感熱記録紙の歴史,用途の変遷とそれに伴う品質改善の技術開発についてまとめた。</p><p>また,新技術紹介では,ロイコ染料複合微粒子を用いた,これまでにない黄赤(黄黒),金赤(金黒)発色の2色感熱メディアについて紹介している。新規に感度および保存性の良い黄色発色のロイコ染料を採用し,また,アルミ蒸着基材を採用することで,金色発色を実現している。この黄色発色の染料は,発色前はブラックライト(紫外線)による蛍光反応を示さないが,発色すると蛍光反応を示す特徴を有しており,チケットや金券の真贋判定(偽造防止)や暗所での視認性向上に利用可能であり,新分野・新用途での採用を目指している。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 71 (11), 1279-1285, 2017

    紙パルプ技術協会

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