製紙工場における最新有害生物防除手法

  • 小西 正彦
    イカリ消毒株式会社 営業部 営業開発グループ

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タイトル別名
  • Current Techniques for Pest Control in Paper Mills
  • セイシ コウジョウ ニ オケル サイシン ユウガイ セイブツ ボウジョ シュホウ

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抄録

近年,多くの製紙工場は,有害生物対策の一環として工場内における昆虫類の発生量とその分布をモニタリングしている。粘着式ライトトラップは昆虫類のモニタリングにしばしば用いられている。一般的に,その捕虫紙は約1カ月ごとに交換され,捕獲された昆虫類は検査員によって計数および同定される。Pest Control Operator(PCO,有害生物制御事業者)は,このモニタリング結果に基づいて昆虫類を防除し,生産現場の衛生管理の維持,向上に取組んでいる。しかし,年々高まる消費者意識「安心・安全」を担保するために,PCOはより迅速で環境負荷の低い防除対策が必要となっている。今回,ニーズの高まりつつある迅速で環境負荷の低い防除対策の手法をいくつか紹介する。<BR>オンライン環境衛生システム「CXシステム」は,飛翔性昆虫や鼠族の捕獲状況を監視する機器を用いたシステムであり,問題発生をリアルタイムに把握できることから,問題改善の即対応と問題の最小限化の実現につながる。<BR>「生物危害リスク調査」は,複数の調査手法を用いることで建屋の持つ有害生物に対する防御力の診断につながる。建屋の有害生物に対する防御力を的確に把握することで,取組むべき防除活動の方向性について適切な設計を行うことができる。<BR>「ムースエコ防虫システム」は,省・少殺虫剤使用による有害生物防除手法を求められるケースから開発された。殺虫剤を含んでいなくても効果が上がる手法であり,環境にも配慮したシステムである。<BR>今回紹介する有害生物防除手法は,製紙工場を含む様々な製造工場で取組んでいるイカリ消毒オリジナルの手法である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 67 (9), 1004-1007, 2013

    紙パルプ技術協会

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