平判外観品質検査装置の開発

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タイトル別名
  • Development of Inspection System for Appearance Quality of Flat Sheet
  • ヘイハンガイカン ヒンシツ ケンサ ソウチ ノ カイハツ

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抄録

近年,どの産業分野においても,製品の安価化と品質要求の高度化が求められている。JFE電制株式会社ではこれらに対応するために,幾多の品質検査装置を開発し納入してきた。今回,製紙工場の仕上げライン向けに,積層紙の“折れ”“飛び出し・不揃い”“紙粉”の検査を行う装置の開発を行い実用化した。<BR>“折れ”の検出は,照明とカメラの配置に工夫を行い,折れ部が周囲よりも明るく輝く画像が撮影できるようにして,確実な検出を実現している。“飛び出し・不揃い”の検出では,レーザーマーカを利用した光切断法を採用することにより,飛び出しの位置・量を正確に把握できるようにした。また“紙粉”検査では,その形態より「毛羽立ち」と「粒」に分類し,毛羽立ちは存在することによって生じる模様を画像処理のテクスチャー解析を用いて面の状態を定量化し,粒は照明の照射方向から生じる特性を利用して正確に粒を抽出し面積の大小を評価した。<BR>開発した技術を用いた外観品質検査装置を,小判リーム用4ラインと大判スキッド用2ラインに納入し稼動している。いずれの装置も要員効率化と不良品流出防止の観点から,高い評価を受けている。これらの装置は“折れ”“飛び出し・不揃い”“紙粉”の不良を検出するようになっているが,今後は確立した検出技術や実機化の過程で得られた様々なノウハウをベースに,検出項目を絞ったより簡易な装置の提供を検討している。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 69 (1), 26-30, 2015

    紙パルプ技術協会

参考文献 (1)*注記

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