ゴムマトリクス中におけるシリカ粒子の分散・凝集挙動

  • 畦地 利夫
    東洋ゴム工業 (株) 技術開発センターゴム材料開発グループ
  • 大江 裕彰
    東洋ゴム工業 (株) 技術開発センターゴム材料開発グループ
  • 大原 利一郎
    東洋ゴム工業 (株) 技術開発センターゴム材料開発グループ

書誌事項

タイトル別名
  • On the Silica-filler dispersion and flocculation in Rubber Compounds
  • ゴム マトリクス チュウ ニ オケル シリカ リュウシ ノ ブンサン ギョウシュウ キョドウ

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抄録

シリカはカーボンブラックと粒子形態・表面性状は大きく異なり, その充填ゴム物性に大きな違いを与える. これはシリカの特異な凝集・分散状態, すなわちポリマー-フィラー相互作用の影響であり, シリカ配合が多用される現在, その作用を詳細に把握することは不可欠であるといえる. そこで未加硫ゴムの粘弾性測定により, その分散能の差を明瞭にすることができる分散・凝集状態の評価方法を示すとともに, 表面性状・粒径の違うシリカ充填系における凝集・分散状態, およびフィラーゲル生成量等の比較を行った. その結果, ゴム-シリカ相互作用を反映するフィラーゲル量は単にシリカ粒子の表面だけでなく, その二次凝集構造の状態が反映されていた. また, そのフィラーゲルを構成するゴム成分はシリカ粒子の一次粒子径が小さいほど, また表面状態が活性であるほどシリカ凝集体中にゴム成分が包含されたオクルードラバー成分よりもシリカ粒子表面に相互作用しているゴム成分が支配的な状態であることを明らかとした.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 63 (4), 234-240, 2006

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (30)*注記

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