塩化ビニルの乳化重合反応機構と反応速度

  • 大石 哲
    日本ゼオン株式会社開発総合センター

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タイトル別名
  • エンカビニル ノ ニュウカ ジュウゴウ ハンノウ キコウ ト ハンノウ ソクド

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説明

シードを用いた塩化ビニル (VC) の乳化重合反応機構と反応速度を, 過硫酸カリウムを開始剤とし, ラウリル硫酸ナトリウムを乳化剤として50℃で研究した。約300Åまでにしか成長しない新粒子の生成が認められた。反応速度を, シード粒子の速度 (dPS, W/dt) と, 新粒子の速度 (dPN, W/dt) とに分けて解析した。dPS, W/dtへの開始剤濃度反応次数は, 反応進行に伴い, 0.8-1.2次と増大した。乳化剤濃度 (被覆率く100%) のdPS, W/dt, dPN, W/dtへの影響は, 初期を除いてない。シード粒子数 (Ns) 増加とともにdPS, W/dtは若干低下するが, dPN, W/dtは大幅に低下 (∝Ns-1.0) した。これらの速度因子により, ポリマーの比粘度は影響されない。モノマー濃度 (Mm) を求め, Mmの粒子体積依存性を示し, 反応過程中のラジカル濃度 (n<0.05) を明らかにした。加速現象がMm支配であることを提示し, 両粒子の競争反応について考察した。

収録刊行物

  • 高分子化學

    高分子化學 29 (331), 835-844, 1972

    公益社団法人 高分子学会

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