エチレン-酢酸ビニル共重合体の熱酸化分解

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タイトル別名
  • エチレン-サクサン ビニル キョウジュウゴウタイ ノ ネツ サンカ ブンカイ

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説明

エチレン-酢酸ビニル共重合体 (酢酸ビニル含有量, 0, 3, 12, 18, 40 (重量%)) の熱安定性と酢酸ビニル含有量の関係を明らかにする目的で, 1g試料 (約1mm厚に相当) および100mg試料 (約0.1mm厚に相当) を用い, 150-170℃, 1気圧の酸素ふんい気中で酸素吸収を行なった。また, 熱重量分析により, 脱酢酸量を求め, 理論量と比較した。<BR>その結果, 1g試料の場合の酸素吸収曲線には自動遅延の傾向が認められるが, 100mg試料の場合は自動促進型を示し, 1g試料に比べて酸素吸収速度が著しく速いことが明らかになった。しかし, 両者とも, ポリエチレンの熱安定性が最も優れ, 酢酸ビニル含有量3%がこれに次ぎ, 0%>3%>40%>18%>12%の順で安定であった。1g試料の場合は酸素の拡散の影響が認められたが, 100mg試料の場合は拡散の影響はなく, 共重合体の熱酸化に要する見かけの活性化エネルギーは, 29-33kcal/molであった。以上の共重合体の熱安定性は, 酢酸ビニルの分布, sequence lengthなどにより, 酸素の透過性 (溶解性) が影響していると推定される。また, 熱重量分析の結果は酸素吸収のそれと一致した。

収録刊行物

  • 高分子化學

    高分子化學 29 (321), 10-14, 1972

    公益社団法人 高分子学会

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