遠心沈降法を用いたコロイド結晶の作製

  • 鈴木 良尚
    徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部ライフシステム部門
  • 澤田 勉
    物質・材料研究機構光材料センター
  • 森 篤史
    徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部先進物質材料部門
  • 田村 勝弘
    徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部ライフシステム部門

書誌事項

タイトル別名
  • Colloidal Crystallization by Centrifugation
  • エンシン チンコウホウ オ モチイタ コロイド ケッショウ ノ サクセイ

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説明

三次元的な広がりをもったグレイン(結晶粒)をもつ密充填のコロイド結晶を制御して効率よく作製するため,比重の小さなポリスチレン粒子を遠心沈降濃縮した.その結果,0.1~1.0 mm の幅で 10 mm 程度の長さをもつ柱状のグレインの集合体からなる高粒子密度のコロイド結晶を 84 G(1 G=9.8 ms-1)の遠心加速度により,従来の自然沈降法よりも短い時間(1 週間)で作製できた.遠心機から取り出し た結晶は,単に逆さま(固液界面で分散液のほうに向かって 1 G の加速度がかかる状態)にすることで可逆的に溶解したことから,通常の結晶の高品質化技術を適用できる可能性が示唆された.また,遠心沈降法によって得られた高粒子密度(体積分率 φ~0.4)のコロイド結晶をゆっくり乾燥させることで,結晶構造を壊すことなく密充填の乾燥コロイド結晶を得ることができた.遠心沈降法によって得られるコロイド結晶の平均的なグレインサイズは,沈降速度を減少させることによって大きくなった.これは,沈降速度の減少により,セル底面において生成した結晶核が減少したことによると考えられる.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 64 (3), 161-165, 2007

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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