高圧下におけるスチレンの塊状ラジカル重合

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  • コウアツカ ニ オケル スチレン ノ カイジョウ ラジカル ジュウゴウ

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スチレンの高圧塊状重合を60℃で2000kg/cm2までの圧力下においてアゾビスイソブチロニトリル (AIBN) を開始剤として行った. 重合初期速度よリスチレンの60℃における重合の全反応の活性化体積は-15cm3/molと得られた. また各重合率におけるポリマーの平均分子量を測定した. その結果から圧力が高くなるに従って, 定常状態の仮定は低い重合率でくずれていることが分かった. 圧力が高くなるに従って重合系の粘度は同じ重合率であっても高くなり, 生長ポリマーの拡散が粘度の増加によって抑制されるために高圧下では定常状態がくずれていると思われる. 一般にスチレンの場合にはゲル効果は起こらないといわれているが, この結果からスチレンの場合においても, 特に高圧下における重合ではゲル効果が見られる. さらに2000kg/cm2では高重合率になるとモノマーの拡散さえ抑制されるという結果が, ゲルパーミエイションクロマトグラフィーによる分子量分布の結果から得られた.

Journal

  • KOBUNSHI RONBUNSHU

    KOBUNSHI RONBUNSHU 32 (6), 338-341, 1975

    The Society of Polymer Science, Japan

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