放射線によるポリスチレンへのアクロレインのグラフト共重合における溶媒の影響

Bibliographic Information

Other Title
  • ホウシャセン ニ ヨル ポリスチレン エ ノ アクロレイン ノ グラフト キョウジュウゴウ ニ オケル ヨウバイ ノ エイキョウ

Search this article

Description

γ線同時照射法によるポリスチレンへのアクロレインのグラフト共重合において, 溶媒としてアルコールを用いた場合, メタノール, エタノールの違いによって大きな違いが生じた. エタノールの場合グラフト鎖のアルデヒド基はほとんどアセタール化されないが, メタノールを用いた場合, グラフト重合物は一部アセタール化される. しかしながら, このアセタール化はヘミアセタール化程度であるため, グラフト量の増加とともにポリスチレンはゲル化する傾向を示した. 一方, アクロレイン-メタノール系に四塩化炭素を加えた場合, 低濃度では, エタノール系同様アクロレインはポリスチレンにグラフト重合するが, 四塩化炭素濃度が増すとほとんどグラフト重合は起こらなかった. これはメタノール系ではアクロレインのアセタール化速度が速く, したがってかさ高になったモノマー分子は, ポリスチレン中に入りにくくなったためグラフト重合が起こりにくくなるものと推定された. これに対して, あらかじめ照射前に塩酸をアクロレイン-エタノール系, アクロレイン-メタノール系に加えて前反応を行わせた場合, アルコールの種類に関係なくグラフト重合せず, 一方, この際ベンゼンを加えてポリスチレンを膨潤させると, グラフト重合が膨潤率に比例して大きくなることが分かった.

Journal

  • KOBUNSHI RONBUNSHU

    KOBUNSHI RONBUNSHU 31 (11), 659-664, 1974

    The Society of Polymer Science, Japan

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top