ポリスチレンの熱分解生成物スチレン二量体とスチレントリマーのカチオン重合

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タイトル別名
  • Cationic Polymerization of Styrene Dimer and Styrene Trimer as Thermal Degradation Products of Polystyrene

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説明

ポリスチレンを熱分解する際に生成するスチレン二量体(2,4-ジフェニル-1-ブテン;SD)およびスチレントリマー(2,4,6-トリフェニル-1-ヘキセン;ST)の重合を種々のカチオン重合開始剤を用いトルエン中または塩化メチレン中,低温(0~-78℃)で行った.一般に,得られた生成物は数平均分子量が約 400 から 600 の低分子量体であった.塩化水素(HCl)または 1-クロロエチルベンゼン [CH3CH(C6H5)Cl; 1-CEB] と SnCl4 を組合せた開始剤を用いた重合での生成物の構造を GC-MS, FAB-MS,および NMR により分析した.SD の重合では重合温度-78℃ で三量体を,0℃ で二量体を選択的に生成し,ST の重合では二量体を選択的かつ定量的に生成した.またこれらの SD と ST のオリゴマーは,成長末端の β 水素の脱離反応によって生成する二重結合を有していることがわかった.このように SD や ST のカチオン重合では,高分子量のポリマーは生成しないが,反応条件を選ぶことにより種々の構造を持ったスチレン型オリゴマーを選択的に合成できることがわかった.SD とスチレンとのカチオン共重合も定量的に起こったが,生成ポリマーの数平均分子量は 1000 程度であった.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 66 (11), 483-490, 2009

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (4)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206524441600
  • NII論文ID
    130004489199
  • DOI
    10.1295/koron.66.483
  • ISSN
    18815685
    03862186
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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