Polybutadiene-block-Poly(ε-caprolactone)ジブロック共重合体の相挙動―比較的低分子量で秩序-無秩序転移を示す系の相挙動について―

  • 高木 秀彰
    名古屋工業大学大学院工学研究科物質工学専攻
  • 山本 勝宏
    名古屋工業大学大学院工学研究科物質工学専攻
  • 岡本 茂
    名古屋工業大学大学院工学研究科物質工学専攻
  • 櫻井 伸一
    京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Phase Behavior of Polybutadiene-block-Poly(.EPSILON.-caprolactone) Diblock Copolymers-Effects of Short Chain Length on the Order-Disorder Transition
  • Polybutadiene block Poly イプシロン caprolactone ジブロック キョウジュウゴウタイ ノ ソウ キョドウ ヒカクテキ テイブンシリョウ デ チツジョ ムチツジョ テンイ オ シメス ケイ ノ ソウ キョドウ ニ ツイテ
  • Phase Behavior of Polybutadiene-block-Poly(ε-caprolactone) Diblock Copolymers—Effects of Short Chain Length on the Order-Disorder Transition

この論文をさがす

抄録

結晶性-非晶性ブロック共重合体である Polybutadiene-block-poly(ε-caprolactone)(PB-b-PCL)ジブロック共重合体の溶融状態における相挙動について小角 X 線散乱(SAXS)測定を用いて調べた.Disorder 状態における SAXS プロファイルを Leibler によって導出された理論曲線を用いて fitting することで PB-b-PCL の Flory-Huggins の相互作用パラメータである χ の温度依存性式を決定した.Disorder 状態における高分子鎖の慣性半径,Rg,の値は,一般的なガウス統計から求められる Rg の値よりも大きい値が得られた.そのため Disorder 状態における高分子鎖の広がりは,ガウス鎖よりも非常に引き延ばされた状態になっていることがわかった.この χ の温度依存性式を用いて相図の作成を行ったところ,実験から求まった(χN)ODT(N は重合度を表す)は計算から求まった(χN)ODT よりも小さい値になることがわかった.(χN)ODT が理論値よりも低い値となる原因として,“分子量分布とブロック鎖間のセグメントサイズの非対称性”と“Disorder 状態における高分子鎖の引き延ばし効果”の 2 つ観点から考察を行った.その結果,比較的低分子量で秩序-無秩序転移(ODT)を示す系では,“Disorder 状態における高分子鎖の引き延ばし効果”が秩序-無秩序転移温度(TODT)に大きな影響を与えていると考えられる.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 66 (10), 442-449, 2009

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (39)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ