ポリカチオンに誘起された5′-GMP希薄溶液からのG-ワイアーの形成

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タイトル別名
  • Polycation-Supported Helical G-Wire Formation from Dilute Guanosin 5'-Monophosphate Aqueous Solutions
  • ポリカチオンに誘起された5'-GMP希薄溶液からのG-ワイアーの形成
  • ポリカチオン ニ ユウキ サレタ 5 GMP キハク ヨウエキ カラ ノ G ワイアー ノ ケイセイ
  • Polycation-Supported Helical G-Wire Formation from Dilute Guanosin 5′-Monophosphate Aqueous Solutions

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抄録

カリウムイオンの存在下で 5′-GMP にポリアリルアミン(PAA)を加えると,極めて低い 5′-GMP 濃度(0.01 wt%以下)において誘起円偏光 2 色性スペクトルを観測した.このスペクトルは G-カルテット構造に特徴的な形状を示した.G-カルテット構造を形成するためには 15 wt%以上の 5′-GMP 濃度を要するという従来報告されてきた研究結果と比較すると,本研究の 5′-GMP 濃度はその 1000 分の 1 以下という極めて低い濃度である.CD スペクトルの変化は,PAA のモル平均分子量,N/P 比,カチオン種,カチオン濃度に大きく依存することがわかった.比較としてモノマーであるアリルアミン(AA)を 5′-GMP に加えた場合にはほとんど CD スペクトルに変化が見られなかったことから,5′-GMP が PAA のアミノ基と静電的に結合し,高分子鎖状で協同的に G-カルテット構造を形成していることが示唆された.また,粉末 X 線散乱の実験を行ったところ,5′-GMP に PAA を加えた場合カリウムイオン存在下で約 3.1 Å の距離でスタッキングした塩基が連なっていることが示されたが,カチオン非存在下およびナトリウムイオン存在下では連続した塩基のスタッキングは観測されなかった.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 66 (6), 211-216, 2009

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (37)*注記

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