フェニルグリシン化合物による鉄アレーン錯体/増感色素光開始剤系でのメタクリラート化合物の光重合率向上

書誌事項

タイトル別名
  • Phenylglycine Improves The Photopolymerization Degree of a Methacrylate Compound Initiated By an Iron Arene Complex/a Sensitizing Dye System
  • フェニルグリシン カゴウブツ ニ ヨル テツ アレーン サクタイ/ゾウカン シキソ ヒカリ カイシザイケイ デ ノ メタクリラート カゴウブツ ノ ヒカリ ジュウゴウリツ コウジョウ

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抄録

鉄アレーン錯体と増感色素からなる光開始剤系によるメタクリラート化合物の光重合挙動について調べた.この光開始剤系では,光重合反応が完全には進行しないことがIR測定により判明し,光反応によりシクロペンタジエニルラジカル(CPR)が生成することがESR測定により示された.露光に伴うポリメタクリラート成長ラジカル(PPR)量の増加は,過酸化物と増感色素からなる開始剤系と比較しかなり少なかった.フェニルグリシン化合物(PC)の添加により,CPRの量は減少し,PPRの量が増加した.これらの現象は,CPRが重合禁止剤として働くことと,PCがCPRを還元することで説明できる.また,酸化されたPCからも,重合を開始するアニリノメチルラジカルが生成すると考えられる.この光開始剤系を使用する感光性樹脂において,PCの添加は光重合反応率を高める効果的な方法である.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 73 (2), 207-212, 2016

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (12)*注記

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