テトラカルボン酸無水物とビス環状イミノ化合物の重付加によるポリアミドイミド,ポリエステルイミドの合成

書誌事項

タイトル別名
  • A Novel Synthetic Method for Polyamideimides and Polyesterimides by Polyaddition of Tetracarboxylic Acid Dianhydride and Bis(cyclic imine)s

抄録

環状イミノ化合物をイミド基形成の窒素原子源として利用することにより重付加でポリイミド類を得る新規な合成法を開発した.テトラカルボン酸二無水物とビス(2-イミダゾリン)との反応ではポリアミドイミド(PAI)ができ,ビス(2-オキサゾリン)との反応ではポリエステルイミド(PEI)が生成する.低分子のモデル反応を用いたメカニズムの解析の結果,重合反応の経路には二種類あることがわかった.2,2′-(1,3-フェニレン)ビス(1-メチル-2-イミダゾリン) (1Me13PBI)や2,2′-(1,3-フェニレン)ビス(2-オキサゾリン) (13PBO)のように1位に活性水素をもたない環状イミノ化合物の場合は反応の中間体としてベンゾ[1,3]オキサゼピン-4,7-ジオンが生成し,これが分子内転位してPAIまたはPEIを与える.一方,2,2′-(1,3-フェニレン)ビス(2-イミダゾリン) (13PBI)のように1位に活性水素をもつ環状イミノ化合物の場合はアミド酸中間体を経てPAIとなる.得られたPAIはDMSOなどの溶媒に可溶であったがPEIは不溶であった.TG-DTAでの耐熱性についても調べた結果,用いた環状イミノ化合物に応じて13PBO<1Me13PBI<13PBIの順に高かった.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 70 (11), 655-667, 2013

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (12)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206525728128
  • NII論文ID
    130004489436
  • DOI
    10.1295/koron.70.655
  • COI
    1:CAS:528:DC%2BC3sXhvV2qt73K
  • ISSN
    18815685
    03862186
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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