電子機器用の高機能なポリ乳酸組成物の開発

  • 位地 正年
    日本電気(株)グリーンイノベーション研究所
  • 井上 和彦
    日本電気(株)グリーンイノベーション研究所
  • 芹澤 慎
    日本電気(株)グリーンイノベーション研究所
  • 木内 幸浩
    日本電気(株)グリーンイノベーション研究所
  • 中村 彰信
    日本電気(株)グリーンイノベーション研究所
  • 柳澤 恒徳
    日本電気(株)グリーンイノベーション研究所
  • 山城 緑
    日本電気(株)グリーンイノベーション研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Highly Functional Polylactic Acid Composites to Be Used in Electronic Instruments
  • デンシ キキヨウ ノ コウキノウ ナ ポリ ニュウサン ソセイブツ ノ カイハツ

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説明

バイオプラスチックのポリ乳酸を電子機器の主要部材に利用するため,高い植物成分率と化学的安全性を保持しながら高度な耐熱性,強度,および難燃性を実現し,さらに,今後の電子機器で重要となる新機能として,形状記憶性や伝熱性を付与させたポリ乳酸組成物を開発した.ポリ乳酸への天然のケナフ繊維の添加により耐熱性や剛性を向上させ,さらに,ポリ乳酸-ポリエステル共重合体の添加で耐衝撃性を改良した.また,ポリ乳酸への吸熱性の水酸化アルミニウムとフェノールノボラック系炭化剤の添加によって,電子機器用の高度な難燃性と他の主要特性(成形性,強度など)を達成した.さらに,変形・復元が容易でリサイクルも可能な今後のウエアラブル機器に利用するため,熱可逆結合でのポリ乳酸分子の架橋によって,形状記憶性とリサイクル性(熱可塑性)を両立させた.加えて,小型・薄型機器での放熱対策のため,天然アミド化合物を炭素繊維の分散・結合剤として用いて,ポリ乳酸中で炭素長繊維(6 mm 長)を高分散させ,網目状に結合させることで,ステンレスに匹敵する熱拡散性を実現した.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 68 (6), 370-381, 2011

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (62)*注記

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