USAXS, SAXS, WAXS を用いたポリエチレン階層構造に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Hierarchical Structure of Polyethylene by using USAXS, SAXS and WAXS
  • USAXS,SAXS,WAXSを用いたポルエチレン階層構造に関する研究
  • USAXS SAXS WAXS オ モチイタ ポルエチレン カイソウ コウゾウ ニ カンスル ケンキュウ

この論文をさがす

説明

筆者らは一軸延伸下における直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の階層構造を解析するために,超小角 X 線散乱(USAXS)法,小角 X 線散乱(SAXS)法,広角 X 線散乱(WAXS)法を用いた.USAXS 法によって二種類の LLDPE のサブミクロンスケールの構造を解析した結果,未延伸状態ではどちらも次元 2.6 のマスフラクタルを持つラメラ相の分岐構造が等方的に広がっている様子が観測された.延伸下のサブミクロンスケールの構造は LLDPE の Melt Flow Index によって異なる変化の傾向を示した.Melt Flow Index の低い LLDPE ではラメラ相の分岐構造が延伸方向に対して平行方向に均一に伸長される様子が観測された.一方 Melt Flow Index の高い LLDPE ではラメラ相の分岐構造が延伸方向に対して平行方向に不均一に伸長される様子が観測された.これら LLDPE の種類による構造変形の傾向の違いは LLDPE の分子量の違いに起因するものと考えられる.また SAXS法によって二種類の LLDPE の結晶-非晶ラメラ構造を解析した結果,延伸下において Melt Flow Index の低い LLDPE はアフィン変形から外れた変形挙動を示したが,Melt Flow Index の高い LLDPE はアフィン変形を示すことがわかった.WAXS 法により結晶格子構造を解析した結果,どちらの LLDPE も非晶相の割合が半分以上を占めているということがわかり,非晶相の割合に大きな差は見られなかった.このことから結晶化度の違いは延伸下における構造変形の違いの起きる要因ではないと考えられる.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 66 (12), 612-618, 2009

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ