SEC-MALS測定における分子量分布の影響について

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Molecular-Weight Distribution on SEC-MALS Measurements
  • SEC-MALS ソクテイ ニ オケル ブンシリョウ ブンプ ノ エイキョウ ニ ツイテ

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説明

重量平均分子量Mwがそれぞれ3.55×105, 7.06×105, 1.09×106のポリスチレン標準試料に対してサイズ排除クロマトグラフィー–多角度光散乱(MALS)測定を行った.分子量分布および拡散などによるピーク幅の拡大効果をそれぞれGauss関数によって表すことにより,屈折率(RI)検出器による流出曲線と各流出時間におけるMwおよびz-平均二乗回転半径⟨S2zのMALSによる測定値を表すことができた.次いで,これら3試料の混合物に対して同様の測定を行った.得たRI流出曲線は各試料に対する流出曲線の和で表されなかった.これは,低分子量成分がカラム中のゲル表面の細孔をふさぎ,高分子量成分を排除したためと理解された.この効果を考慮することで,混合試料に対するRI流出曲線,Mw,⟨S2zの測定結果をほぼ定量的に表すことができた.⟨S2zMwに対してプロットすると,高分子量領域では標準データ(文献値)に近くなったが,分子量の低下とともに上にずれ,低分子量で再び標準データに近づいた.この標準データからのずれはz-平均分子量MzMwに対する比Mz/Mwの増大と対応した.Mz/Mwを流出時間tの関数として表すと,流出初期では1に近いが,tとともに増大し,極大を経た後に再び1に近づいた.この極大に対応するtはRI流出曲線の極大値におけるtよりも長時間にあった.これは,少量含まれる高分子量成分がMz/Mwを効果的に増加させることによるものと理解された.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 69 (7), 387-391, 2012

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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