高流動性・高延性ポリプロピレンの構造と物性

  • 伊藤 岩
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 坂田 秀行
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 古田 元信
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 西辻 祥太郎
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 井上 隆
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Structure-Properties of a High-Flow and Super-Ductile Polypropylene
  • コウリュウドウセイ ・ コウエンセイ ポリプロピレン ノ コウゾウ ト ブッセイ

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説明

ポリプロピレン(PP)に微量(1 wt%以下)のフェノール樹脂と有機過酸化物を添加して溶融混練すると,高流動性と高延性を兼ね備えたフェノール修飾 PP を作製できることを見いだした.高流動化(低分子量化)すれば延性が低下するという二律背反の関係から逸脱できたわけである.延性が向上した理由を明らかにすべく,DSC 曲線・広角 X 線回折パターン・小角 X 線プロフィールなどを観察したが,修飾の前後でまったく差が認められなかった.Hv 光散乱プロフィールの解析により,修飾 PP は著しく秩序性の低い球晶組織であることがわかった.低秩序の球晶組織が形成されることにより変形時に構造欠陥が発生しにくくなり,それが高延性の発現につながっていると考えられる.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 69 (2), 55-59, 2012

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (15)*注記

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