減量プログラムによる女性の食行動改善と減量効果との関連

書誌事項

タイトル別名
  • Association between Change in Eating Behaviors and Weight Reduction Through a Health Guidance Program for Improvement of Obesity among Japanese Women
  • ゲンリョウ プログラム ニ ヨル ジョセイ ノ ショク コウドウ カイゼン ト ゲンリョウ コウカ ト ノ カンレン

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抄録

わが国の先行研究では,特定の食行動が肥満と関連していることを示唆しているものの,食行動改善と減量効果との関連を示した報告は少ない。そこで,本研究では,種々の食行動の変化と体重及び食事摂取状況の変化との関連について検討した。<br>対象は,2003年9月~2008年8月に,大阪府立健康科学センターにおいて,一般人を対象に参加を募った減量プログラム「スリムで健康塾」を完了した女性144名(年齢19~78歳,BMI18.6~43.8kg/m2)である。2ヶ月半の本プログラムでは,8回の保健指導と2回の健康診査を行った。身体計測,血圧測定,血液検査,食事摂取状況並びに食行動調査については,この2回の健康診査時に行った。介入前後におけるBMIの変化量と食行動のスコアの変化量との関連をステップワイズ法による重回帰分析で検討した。<br>本プログラムの実施後は,体重-1.8kg,BMI-0.8kg/m2,体脂肪率-1.5%,腹囲-3.6cmとそれぞれ有意に改善した(p<0.001)。エネルギー,炭水化物,脂質,砂糖,油脂類,菓子等の摂取量が有意に減少するとともに野菜類の摂取量と身体活動による消費エネルギー量が有意に増加した。さらに,食行動での改善が認められ,その改善度は,特に肥満者において顕著であった。ステップワイズ法による重回帰分析の結果,代理摂食の改善は減量に独立して関連していることが明らかとなった。すなわち,日本人の女性において,特に「代理摂食」の改善が,肥満改善に重要であることが示された(β=-0.284,p<0.001)。<br>(オンラインのみ掲載)

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 68 (6), 378-387, 2010

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (19)*注記

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