下水汚泥焼却灰の多量施用が作物の生育と重金属吸収に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Heavy Application of Incinerated Sewage Sludges to Soil on Crop Growth and Heavy Metal Uptake
  • ゲスイ オデイ ショウキャクバイ ノ タリョウシヨウ ガ サクモツ ノ セイイク ト ジュウキンゾク キュウシュウ ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

脱水方式を異にする脱水ケーキから調整した焼却灰を多量に施用した場合における作物の生育,リン酸吸収および重金属吸収を検討して,次の結果を得た.1)エンバクに薬注汚泥焼却灰を多量施用した場合は,施用量の増加に伴って生長量が低下した.これは,石灰および塩化第二鉄が多量に施用されたことによる高塩濃度障害のためと考えられた.2)エンバクに薬注汚泥焼却灰を多量施用した場合は,施用量の増加に伴って生長量,リン酸含有率およびリン酸吸収量が上昇した.それらを化学肥料である過石と比較すると,この焼却灰のリン酸質肥料としての肥効は過石のほぼ50%程度であると考えられた.3)エンバクに薬注および無薬注汚泥焼却灰を多量施用した場合,施用量の増加に伴い地上部,根部のCu, Znの含有率が,また,薬注汚泥焼却灰の多量施用の場合,根部のCr含有率が有意に上昇した.しかし,CuおよびZn含有率の上昇割合は小さく, Fe, Mn, Pb, Cdの含有率は上昇しなかった.4)高塩濃度に対する耐性が強いコマツナに焼却灰を多量施用して収穫期まで栽培した結果,起源とする汚泥の脱水方式にかかわらず,生育促進の効果が認められ,可食部への重金属の過剰な集積も認められなかった.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ