トマト幼植物葉中のカルシウムとマグネシウム含有率に及ぼす水耕培地中のこれら塩基の相互作用

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タイトル別名
  • Effects of Calcium and Magnesium of Nutrient Solution on Their Composition in Leaves of Tomato Seedlings
  • トマト ヨウショクブツ ヨウチュウ ノ カルシウム ト マグネシウム ガンユウリ

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抄録

トマト幼植物葉によるCaとMgの取込みの相互作用を数量的に求めるため,培養液のCa濃度を5,10,15,20,25meq/l,またMg濃度を同じく5,10,15,20,25meq/lとし,通気水耕培養を行った。培養開始後2週間目および4週間目に葉柄を含めて葉部を採取し,乾燥重量を秤量後,粉砕,湿式分解して,K,Ca,Mg濃度(meq/100g 乾燥重量)を測定した。得られた測定値について,培養液のCa濃度を変化させた実験では,体内Ca濃度1meq/100gの上昇により,減少するKまたはMgの濃度(meq/100g 乾燥重量)を算出し,CaのKまたはMg吸収に対する抑制効果とした。培養液Mg濃度を変化させた実験についても同様に,MgのKまたはCa吸収に対する抑制効果を求めた。得られた結果は次のとおりである。培養液のCa濃度を上昇させると,トマト幼植物葉中のKおよびMg濃度が低下する。また,培養液Mg濃度を上昇させると,葉中Ca濃度が大きく低下するが,K濃度の低下は大きくない。これらの結果から,上記の抑制効果を算出し,イオン相互間の作用を数量化した。培養2週間目における,CaのMgおよびKに対する吸収抑制効果は,それぞれ0.47および0.76であり,またMgのCaおよびKに対する吸収抑制効果は,それぞれ10.69および0.34であり,MgのCa吸収抑制効果が最も大きかった。これらの効果は幼植物の生育にしたがって変化したが,4週間目においても,MgのCa吸収に対する効果が最大であった。

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