水耕栽培トマト中の無機元素濃度の経時変化

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タイトル別名
  • Uptake and Distribution of Inorganic Element in Tomato Grown by Hydroponics : 2. Changes in Concentration of Inorganic Elements in Culture Solution and in Plants with Growth
  • スイコウ サイバイ トマトチュウ ノ ムキ ゲンソ ノウド ノ ケイジ ヘンカ

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抄録

水耕栽培トマト(品種,TVR-2)の各種器官中に含まれる主要無機元素濃度をほぼ2週間ごとに測定し,それらの濃度変化に及ぼす生育段階の影響,培養液の組成変化の影響,土耕栽培との比較を行った。トマトでは全乾物重のなかで果実が占める比率が高く,果実はK,P,Clの要求性が栄養器官に比べて高いため,果実の肥大成熟期以降はこれら元素の培養液濃度が低下する傾向がみられた。また栄養器官中のK,PおよびN濃度も果実の肥大成熟に伴って減少する傾向がみられ,逆に果実の要求性が低いMg,Ca,S等は培養液濃度,栄養器官中濃度とも生育につれて増加する傾向が観察された。植物体地上部に含まれる陽イオン元素の当量比は生育段階や培地の影響をほとんど受けず,ほぼ一定値を保っていたが,陰イオン元素の当量比は生育段階の影響を強く受け,培地の影響も受けた。とくに硝酸態窒素は生育につれて急減し,その減少量を補うように硫酸態イオウが増加した。そのほかトマトの葉身と葉柄は隣接した位置にありながら,無機元素組成やその経時変化にはかなり大きな相違があり,栄養診断を行う場合には両者を厳密に分けて分析する必要のあることも示された。

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