下水汚泥焼却灰施用土壌における可溶性重金属最の経時変化

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タイトル別名
  • Time-Dependent Changes in Soluble Heavy Metals from Incinerated Sewage Sludges Applied Soil
  • 下水汚泥焼却灰施用土壌における可溶性重金属量の経時変化
  • ゲスイ オデイ ショウキャクバイ セヨウ ドジョウ ニ オケル カヨウセイ ジ

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抄録

脱水方式を異にする下水汚泥およびこれらの焼却灰を土壌に施用し,これら資材の施用が土壌中の DTPA および 0.1 N 塩基可溶の重金属量に及ぼす影響を3年間にわたって経時的に検討し,次の結果を得た.1) 起源を同じくする汚泥と焼却灰施用を比較すると,石灰・塩基薬注および熱処理無薬注にかかわらず汚泥施用より焼却灰施用で可溶性重金属量が減少した.この減少割合は,金属種や抽出方法により異なったが,Zn や Cu では抽出方法にかかわらず 1/3 以下となった.2) 可溶性重金属量は,汚泥施用では経時的に減少する傾向であったが,焼却灰施用では経時的な変化が少ないか,あるいは,認められず,156週を経過しても少なかった.3) 抽出塩酸の濃度を上げ,溶出液 pH を低下させた場合でも,重金属溶出量は汚泥施用より焼却灰施用で少なかった.さらにこの場合,Zn と Cu の溶出量は溶出液 pH の低下に伴い,ほぼ直線的に増加したが,この直線の傾きは156週目においても汚泥施用よりも焼却灰施用で著しく小さかった.4) 以上の結果から,焼却処理により難溶化した重金属は,畑水分状態の土壌環境中で少なくとも3年間は安定な形態で存在していたと考えられる.

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