7点の施設土壌における水分含量変化にともなう土壌溶液イオン組成の変化

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  • Change in Ionic Composition of Soil Solutions from 7 Greenhouse Soils as Affected by Water Content
  • 7テン ノ シセツ ドジョウ ニ オケル スイブン ガンリョウ ヘンカ ニ ト

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抄録

7点の施設土壌(黒ボク土5点,灰色低地土2点)に風乾土;水比=1;0.5,1;1,1;2.5,1;5の割合で水を添加して土壌溶液を採取し,水分含量変化によるイオン組成の変化を調べた.得られた結果をもとに,水分含量変化による土壌溶液組成の変化機構,水抽出液から土壌溶液組成を予測する方法について考察し,次の結論を得た. 1)イオン濃度(mol_c L^<-1> 単位)は水添加量の多いほど低下したが,乾土当たりの合計溶存イオン量(mol_c kg^<-1> 単位)は一定でなく,水添加量が多くなると増加した. 2)イオンのうち,カルシウム,マグネシウム,硝酸および塩化物イオンの量は変化が少なく,カリウム,ナトリウムおよび硫酸イオンの量は増加した. 3)イオンの活量積,活量比の計算から,これらの変化は,硫酸カルシウムの溶解,硫酸イオンと陽イオンの同時着脱,陽イオン交換平衝の共同作業によってもたらされると考えられた.また,塩化物,硝酸イオンは吸・脱着にはほとんど関与しないと考えられた. 4)水抽出液組成から土壌溶液組成を予測するには,今後硫酸塩の吸着の定量的研究,上記の諸過程を同時に計算するコンピュータプログラムの開発,の二つが重要であると考えられた.

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