リンゴ剪定枝の堆肥化においてチップ粒度が腐熟に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Comparison of Coarsely Shredded and Finely Shredded Apple Prunings in Composting with Poultry Manure and Calcium Cyanamide
  • リンゴ センテイ シ ノ タイヒカ ニ オイテ チップ リュウド ガ フジュク ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

リンゴ剪定植を粒度の異なる2種類のチップとし,これらに鶏ふんと石灰窒素を加えて344日間の堆肥化を行い,粒度が腐熟に及ぼす影響を検討した.得られた結果は,つぎの通りである.1)堆肥の温度は,粒度が細かいチップを用いた場合より粗いチップを用いた方が高く推移した.2)粒度の細かいチップよりも粒度の粗いチップを用いた方が,チップの微細化が速やかに進行するとともにチップのC/N比の低下が速やかであった.3)203日目と344日目のリンゴ剪定枝堆肥を土壌と混和してインキュベートした場合には,粒度の粗いチップを用いた堆肥は有機化を引き起こさなかったのに対して,粒度の細かいチップを用いた堆肥は344日目においてもわずかながら有機化を引き起こした.4)コマツナを用いた幼植物試験の結果は,いずれの堆肥も203日間の堆肥化で植物生育を阻害しなくなっており,跡地土壌にはかなりの無機態窒素が残存していた。以上の結果から,粒度の細かいリンゴ剪定枝チップを用いた場合より,むしろ粒度の粗いチップを用いた方が腐熟の進行が速かったと推定された。しかし,剪定枝チップの粒度にかかわりなく,春期に堆肥化を開始して200日程度堆積すれば,植物生育に悪影響を及ぼさない堆肥が製造できることが示された.

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