北海道十勝管内の火山性土地帯における大縮尺土壌図の作成

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タイトル別名
  • Drawing of Large-Scaled Soil Map on Volcanic Acid Soil Area in Tokachi District of Hokkaido
  • ホッカイドウ トカチカン ナイ ノ カザンセイド チタイ ニ オケル ダイ シュクシャク ドジョウズ ノ サクセイ

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抄録

土壌を構成する母材が各地形区分で異なることに着目し,北海道十勝管内芽室町の主要地形図(中〜高台地)を調査地区として,分布する土壌を農耕地土壌分類第3次改訂版と下層土の物理性に基づいて区分した.また,区分した各土壌型において,表層土の腐植含量の特徴および分布特性を明確にし,スポット衛星画像(解像度20m)により作成した表層土の腐植含量地図に重ねることで,大縮尺土壌図の作成を試みた.調査地区に分布する土壌を農耕地土壌分類第3次改訂版に基づいて土壌統群まで分類した結果,4土壌群のタイプが認められた.その中でも多腐植質厚層多湿黒ボク土に分類される土壌では,下層土の物理性に著しい地点間差が見られたことから,土壌図作成のために2タイプに区分した.調査地区の各土壌型は,表層士の腐植含量の大小以外に,標高に対応した分布特性を有していた.そこで,スポット衛星データから予測した表層土の腐植含量に標高データを組み合わせることで,大縮尺土壌図を作成した.その結果,大縮尺土壌図の広域的な土壌型の分布傾向は既往の土壌図と符合しており,1筆圃場内の複数の土壌分布も捉えていた.また,区分した下層土の土壌物理性が著しく不良である多腐植質厚層多湿黒ボク土の分布する区域は,既往土壌図作成時,適温を原因として末耕地であった.以上のことから,地形条件および標高を組み合わせた土壌図作成のための衛星リモートセソシソグ技術の構築により,下層土の物理性を原因とする排水不良区域の抽出や圃場単位における複数の土壌分布が明確になり,効率的土地改良や,圃場単位の土壌型の違いに基づいた土壌診断が可能になると判断した.

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参考文献 (26)*注記

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