エタノール抽出およびメタリン酸抽出による野菜類の抗酸化活性測定値の比較

  • 福永 亜矢子
    農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター
  • 須賀 有子
    農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター
  • 小森 冴香
    農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター:石原産業株式会社中央研究所
  • 西川 万貴
    農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター
  • 池田 順一
    農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター:農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター北陸研究センター
  • 堀 兼明
    農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Antioxidative activity of ethanol or metaphosphoric acid extracts from some vegetables
  • エタノール チュウシュツ オヨビ メタリンサン チュウシュツ ニ ヨル ヤサイルイ ノ コウサンカ カッセイ ソクテイチ ノ ヒカク

この論文をさがす

抄録

アスコルビン酸が抗酸化活性の主体として考えられるホウレンソウなどの野菜においては,エタノール抽出は実態を反映しておらず,アスコルビン酸抽出液であるメタリン酸の方が抽出液としてふさわしいと仮説を立て,数種の野菜類あるいは作期や収穫前の光条件が異なるホウレンソウについて,主に2種の抽出溶媒,すなわち0.8m^3エタノールm^<-3>と50gメタリン酸L^<-1>溶液を用いて抗酸化活性測定値を比較した.1)野菜によっては,メタリン酸抽出とエタノール抽出では抗酸化活性測定値に差が生じた.これまでエタノール抽出では抗酸化活性が低〜中程度とされていた野菜であっても,メタリン酸抽出液では高い値を示すものがあった.2)ホウレンソウの抗酸化活性について,エタノール抽出では1月収穫オーライと8月収穫アクティブのサンプル間に有意な差が認められなかったが,メタリン酸抽出では8月収穫アクティブサンプルで有意に低かった.同様に,収穫前に強い遮光を行った場合の抗酸化活性の減少もメタリン酸抽出でより明らかとなった.よって,野菜類の抗酸化活性を評価する場合,対象とする野菜と目的に適した抽出溶媒を選択する必要があり,アスコルビン酸が抗酸化活性の主体として考えられるホウレンソウにおいて,栽培条件による抗酸化活性の変動調査を目的とした場合はエタノール抽出よりメタリン酸抽出の方が適していると考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ