除草剤(グリホサート系)散布が不耕起畑のヨコハラトガリミミズの生息密度及び糞排泄速度に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of herbicides, glyphosate, on density and casting activity of earthworm, Pheretima (Amynthas) carnosus
  • ジョソウザイ グリホサートケイ サンプ ガ フコウキバタケ ノ ヨコハラトガリミミズ ノ セイソク ミツド オヨビ フン ハイセツ ソクド ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

除草剤(グリホサート系)が,不耕起圃場で生息しているミミズの生息密度と糞排泄速度に及ぼす影響を調べた.(1)秋及び春の除草剤散布は圃場でのミミズの生息密度に影響を及ぼさなかった.この調査圃場ではヨコハラトガリミミズが優占(95%)していた.(2)このミミズを入れたポットに除草剤を散布したところ,ミミズの死亡率及び体重,行動に変化は認められなかった.(3)除草剤散布が不耕起圃場での糞排泄速度及び土壌水分に及ぼす影響を調べた結果,春では除草剤散布区でミミズの糞排泄速度が増加し,夏では無処理区において糞排泄速度が増加した.土壌のマトリックポテンシャルは,無処理区で除草剤散布区より乾燥時に低下した.ミミズの糞排泄速度は地温と土壌水分を説明要因とした重回帰式で表され,高い相関が認められた(p<0.01).(4)リター除去がミミズの糞排泄速度に及ぼす影響を調べた結果,リターを除去することによりミミズの糞排泄速度が低下した.ミミズの年間糞排泄量を調べた結果,年間約3kg m^<-2>の糞を表層に排泄することが明らかになった.これらの結果から,不耕起圃場への除草剤散布はヨコハラトガリミミズの死亡率や行動に直接的な影響を及ぼさず,土壌水分やリター量の変化を通して間接的にミミズの糞排泄速度に影響を及ぼしたものと考えた.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (41)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ