分解程度の異なる樹種別リターの炭素および窒素無機化特性

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  • Nitrogen and Carbon Mineralization Characteristics of Different Decomposition Stages in Forest Floor of Some Tree Species
  • ブンカイ テイド ノ コトナル ジュ シュベツ リター ノ タンソ オヨビ チッソ ムキカ トクセイ

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抄録

ケヤキ,ミズナラ,スギ,ヒノキ,アカマツの優占する林地においてA_0層(L-F_1,F_2,F_3,HA画分)および鉱物土壌層0〜5cm(A(0-5))の化学的性質,微生物バイオマスおよび炭素(C),窒素(N)の無機化量(25℃,30日間培養)を調査し,リターの分解に伴う化学的性質およびCとNの無機化パターンの変化と,それらを担う微生物との関わりについて考察した.1)A_0層の全N濃度はケヤキ>ミズナラ>スギ>ヒノキ>アカマツの順に高く,リターフォールの全N濃度の傾向と同じであった.2)水溶性有機態C(WSOC)濃度はL-F_1画分で最も高く,広葉樹のケヤキとミズナラでは針葉樹である他の3試験区の3倍であった.WSOC濃度は,分解の進行に伴い急速に低下した.3)微生物バイオマスC(MBC)濃度および微生物バイオマスN(MBN)濃度は,F_2画分またはF_3画分で最も高かった.4)C無機化量の最大となる画分は樹種によって異なり,L-F_1〜F_3画分であった.WSOC濃度とC無機化量との間に,HA画分およびA(0-5)では強い正の相関性が認められた.5)N無機化量は,F_3画分以降で最大となった.ミズナラでは硝化活性が著しく低かった.適潤性土壌のケヤキとスギでは,他の試験区より高いC/Nで純N無機化が生じた.6)分解の進行に伴うMBN濃度の増減が,全N濃度やN無機化量の増減よりも先行するヒステリシスが認められた.

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