Bland-Altman分析による土壌pHを考慮した野菜可食部カドミウム濃度予測のための土壌抽出法の検証

  • 戸上 和樹
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 吉住 佳与
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 工藤 一晃
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 青木 和彦
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 三浦 憲蔵
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of soil extraction methods for prediction of cadmium content in edible parts of vegetables over a range of soil pH values
  • Bland-Altman ブンセキ ニ ヨル ドジョウ pH オ コウリョ シタ ヤサイ カショクブ カドミウム ノウド ヨソク ノ タメ ノ ドジョウ チュウシュツホウ ノ ケンショウ

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抄録

野菜可食部Cd濃度予測において土壌pHの変化に対応可能な抽出法を選定するため,エダマメ,チンゲンサイ,レタス,ニンジン,キャベツ,ハクサイ,ブロッコリーのポット栽培試験の収穫後の土壌を用いて9種の抽出法(0.1mol L^<-1>HCl, 0.025mol L^<-1>HCl, 0.01mol L^<-1>HCl, 0.05mol L^<-1>CaCl_2, 0.05mol L^<-1>Ca(NO_3)_2, 0.1mol L^<-1>MgCl_2, 1mol L^<-1>NH_4NO_3, 1mol L^<-1>NH_4Cl, 1mol L^<-1>CH_3COONH_4)について検討を行った.1)Bland-Altman分析を応用した解析により各抽出法の正確度と精度を評価した結果,0.05mol L^<-1>CaCl_2抽出が野菜の可食部Cd濃度予測に適した抽出法として選択された.2)塩化物溶液により抽出されるCd濃度は,Cl^-濃度が高いと抽出Cd濃度も高く,また,陽イオン種よりもCl^-濃度により抽出Cd濃度が高まることが示唆された.3)土壌pHの変動に対する抽出Cd濃度の一致度を示すICCは,0.1mol L^<-1>HClおよび1mol L^<-1>CH_3COONH_4で高く,土壌pHの変化による可食部Cd濃度の変化に対して抽出Cdの変化は小さいことが示された.1mol L^<-1>NH_4NO_3および0.05mol L^<-1>Ca(NO_3)_2抽出のICCは低く,可食部Cd濃度の変化に対して抽出Cd濃度の変化が大きいことが示された.抽出ろ液のpHから判断して塩酸抽出法では,吸収されにくい形態のCdが抽出されるため,予測精度が低下したと考えられた.4)現地圃場試験の栽培前土壌を用いた0.05mol L^<-1>CaCl_2抽出法による予測値は,その土壌pHを収穫時まで維持した場合の可食部Cd濃度とみなすことができ,リスク低減対策に活用できる可能性が示された.

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参考文献 (33)*注記

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