珪藻プランクトンからの無機栄養塩の再生

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  • Regeneration of Inorganic Nutrients from Diatom Decomposition

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培養した珪藻プランクトン (S. costatum, T. decipiens, Ch. gracilis) を暗所に保存し, その分解過程を研究した. 分解過程は4段階に大別され, 珪藻体の易分解性部分の分解は第2段階までにほぼ終了するようであった. 分解速度は珪藻の生理条件, 種の違い, 及び保存時の温度条件によって異なることがわかった.<BR>珪藻体の珪酸の溶出と有機炭素の消失は, 分解初期において燐と窒素の再生に先行するため, 再生した珪素と燐の比は顕著に高かった. しかし分解が進むにつれ, 珪素と燐の比は実験に供した初期の珪藻体の比に漸近した. 一方, 再生した窒素と燐の比は前者に見られるほど大きな変動はなかった. しかしこれらの比もまた分解速度と同様に生理条件とか温度条件に規定されるようであった. なお珪酸殻の溶解性については最後に二・三の考察を加えた.<BR>本研究結果を総合すると, 分解初期における見掛上の酸素消費と再生した燐, 窒素及び珪素の間にはREDFIELD (1934) 及びRICHARDS (1958) が現場の解析から得たような化学量論的な関係は成り立たないように推定された.

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