マイワシ発生初期卵群の海中における行動

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タイトル別名
  • Underwater Behaviour of the Early-Stage Egg Population of the Japanese Sardine
  • マイワシ ハッセイ ショキラングン ノ カイチュウ ニ オケル コウドウ

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抄録

1958年5月, 能登半島沿海のマイワシ産卵場において, 動力ポンプをもちいて, 種々の水深からマイワシ卵を採集し, その垂直プロフアイルの時間的変化を調べた結果, 受精後間もない桑実期から胞胚期にある卵について次のことが推定された.<BR>1) この発育ステージにあるマイワシ卵群は海中を浮上する.<BR>2) 卵群の重心移動状況からみて, このマイワシ卵の浮上速度は平均して1m/hr前後である.<BR>次に, マイワシ卵の理論的模型を構成し, それにもとずいて, 同じ発育ステージにある卵の, 採集の時と同比重の静止ないし層流海水中における浮上速度を計算したところ, 上記の推定値とよい一致をみた.<BR>おわりに, 上記の浮上速度が, 受精直後の卵膜未扛挙の卵に対してあてはまると仮定して, マイワシ魚群の産卵水深を10~45m, とくに産卵活動の中心を20mよりすこし深いところと推定した.

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