異なる周波数帯域成分間の相関性の定量的計測法

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タイトル別名
  • A new method for quantitative measurement of correlation defined between different frequency band components
  • コトナル シュウハスウ タイイキ セイブンカン ノ ソウカンセイ ノ テイリョ

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抄録

雑音環境下で、特定の信号の有無を判定する手法の一つとして、その信号の存在する周波数帯域の帯域通過フィルタの出力パワーに対して閾値処理を施す方法が一般的に用いられている。しかし、特に機械系の欠陥等に起因する異常振動は、一般に継続時間に比較して、その発生間隔が広い上、高いレベルの雑音に埋もれていることが多いので、検出したい振動信号のスペクトルの帯域を固定すること自体、困難な場合が多い。そこで、本論文では、"異なる帯域成分間のコヒーレンス関数"を新たに定義し、このコヒーレンス関数を実際の信号に適用して、帯域成分間の相関性を求める。その結果、求められた相関性を用いれば、しきい値設定の際に問題となる信号の絶対的大きさの変化や雑音などに影響されずに、信号の持つ帯域の範囲及び帯域成分間の相関性を定量的に決定できる。次に、相関のある帯域成分のパワーの大きさ及び検出された相関性に基づいて、特定の振動信号の有無の識別実験を行い、本提案の"帯域成分間のコヒーレンス関数"により識別法の有用性を示す。

収録刊行物

  • 日本音響学会誌

    日本音響学会誌 49 (6), 389-396, 1993

    一般社団法人 日本音響学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (6)*注記

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