球調和関数展開に基づく多重極音源を用いた指向性合成

  • 羽田 陽一
    (現)電気通信大学大学院情報理工学研究科総合情報学専攻:NTTメディアインテリジェンス研究所
  • 古家 賢一
    (現)大分大学工学部知能情報システム工学科:NTTメディアインテリジェンス研究所
  • 島内 末廣
    日本電信電話株式会社:NTTメディアインテリジェンス研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Directivity synthesis using multipole sources based on spherical harmonic expansion
  • タマ チョウワ カンスウ テンカイ ニ モトズク タジュウキョクオン ゲン オ モチイタ シコウセイ ゴウセイ

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抄録

音源の指向性を再現することや,任意の指向特性を合成することは,多くの応用において大変重要である。本論文では,球調和関数を用いて展開した指向特性を多重極の重ね合わせで表現する方法を提案し,球面スピーカアレー以外の形状でも球調和関数展開を用いた指向性合成が行えることを示す。また,2次までの球調和関数を表現するために,必要最低音源数である9個で構成した多重極音源を提案し,指向特性の合成シミュレーションを行った。その結果,音源間隔が波長に比べて小さい場合には少ない誤差で指向特性を合成可能であることを明らかにした。更に,スピーカ素子が軸上に並んだ直線アレーに対しても球調和関数展開に基づく多重極アレーを適用した。従来からある最小自乗法と指向特性を比較した結果,後方の指向特性は最小自乗法の方が良かったが,低周波数領域における側面の指向性は多重極アレーの方が良いことが分かった。これにより,直線アレーの設計においても球調和関数を用いた解析的な設計が有効であることが分かった。

収録刊行物

  • 日本音響学会誌

    日本音響学会誌 69 (11), 577-588, 2013

    一般社団法人 日本音響学会

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