慢性関節リウマチにおける超音波治療の皮膚微小循環への非温熱効果に関する研究

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タイトル別名
  • Controlled Study of the Non Thermic Effects of Ultrasound Treatment on the Skin Microcirculation in Rheumatoid Arthritis.
  • Controlled Study of the Non Thermic Eff

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抄録

目的: 慢性関節リウマチ (RA) 患者と健常対照における水中超音波療法の皮膚微小循環と皮膚温への効果について検討した。<br>対象: 2群のRA患者と健常対照を比較検討した。RAの1群 (n=26) は低RA活動性群 (ESR21mm/hr, RF陽性67%) で他の1群 (N=28) は臨床的に亜急性手関節炎を呈する高RA活動性群 (ESR39mm/hr, RF陽性93%) であった。<br>方法: 皮膚微小循環は低温水 (34℃) 中で10分間超音波探触子 (1MHz, 探触子5cm2, 出力1.5W/cm2) を右手関節部にあてレーザードップラー血流計により測定した。測定前後で赤外線温度計にて局所皮膚温を測定した。対照群は全く同様の手技だが, 超音波装置のスイッチはオフとした。研究は無作為比較前向き試験であった。<br>結果: 健常対照では相対的皮膚微小循環は34%増加 (P<0.001), 低RA活動性群では14%増加 (P<0.01) した。しかし, 高RA活動性群は有意の増加を示さなかった。血管壁振動数は低RA活動性群では17% (P<0.001), 高RA活動性群で13% (P<0.001) 増加し, 健常対照では有意の変動を認めなかった。皮膚温は高RA活動性群でごくわずか低下した程度で, 有意な変動は認められなかった。<br>結論: 今回の測定条件下では皮膚温の上昇は認められなかった。一方, 皮膚微小循環は健常対照と低RA活動性群では有意に増加した。低RA活動性群では高RA活動性群と比較し, 皮膚血流と血管運動に関しては超音波治療法が有用と思われた。

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参考文献 (18)*注記

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