気管支喘息症例における内分泌・自律神経系に対する温泉療法の効果

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タイトル別名
  • Effects of Spa Therapy on Endocrine-autonomic Nerve System in Patients with Bronchial Asthma.
  • 気管支喘息症例における内分泌・自律神経系に対する温泉療法の効果〔英文〕
  • キカンシ ゼンソク ショウレイ ニ オケル ナイブンピ ジリツ シンケイケイ

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抄録

65歳以下の気管支喘息患者12例を対象に, 内分泌・自律神経系に対する温泉療法の効果について検討を加えた。<br>1. 血清コルチゾール値は, 温泉療法前 (8.6±7.6μg/dl) に比べ温泉療法後 (10.0±7.5μg/dl) では, 多くの症例で上昇が認められた。特に温泉療法前に10.0μg/dl以下の低い値を示した症例では全例において温泉療法後の上昇が観察され, そのうちの3例では著明な増加が認められた。これらの結果は温泉療法により副腎皮質機能が改善することを示していると考えられた。血清ACTH値は温泉療法前 (21.7±12.6ng/ml) に比べ, 温泉療法後 (25.9±15.2ng/ml) に上昇する傾向が認められたが, 個々の症例では減少するものも認められた。<br>2. 血清アドレナリン値は温泉療法前 (25.3±10.1pg/ml) に比べ療法後 (14.3±7.6pg/ml) に有意の減少が認められた (p<0.05)。ノルアドレナリン値も同様に温泉療法前 (393±268pg/ml) に比べ療法後 (301±148pg/ml) に減少する傾向が認められたが, 推計学的に有意の差は認められなかった。これらの結果より, 温泉療法により交感神経系の緊張が和らげられることが示唆された。<br>3. サブスタンスPは, 温泉療法前後で変動は認められなかった。ブラッディキニンは温泉療法後に軽度の上昇が認められたが有意ではなく, サブスタンスP, ブラッディキニンに対する温泉療法の効果は明らかではなかった。

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